一見すればまったくの別分野に思える「心理学」と「スピリチュアル」。
実際のところ、心理学とスピリチュアルは親子のような関係性にある分野なのです。
心理学とスピリチュアルを組み合わせて活用することで、日々のメンタルケアに対する考え方も変わっていくでしょう。
この記事では、心理学とスピリチュアルの関係性について解説していきます。
心理学とスピリチュアルの関係性は「親子」
心理学とスピリチュアルは親子のような関係性にある分野です。
- 心理学(psychology)…人間の心や行動に関して科学的な根拠をもとに確立した分野。【子】
- スピリチュアル(spiritual)…目に見えない精神世界について量子力学などをもとに確立した分野。【親】
ここでいう親子関係とは、精神の根幹をなす潜在意識の部分となるスピリチュアルが「親」であり、そこから派生した顕在意識の部分となる心理学が「子」であることを指します。
私たちの精神は「顕在意識」と「潜在意識」の2つから成り立っています。
目に見える発言・行動・仕草から顕在的な精神状態を読み取る分野が心理学だとするなら、目に見えない潜在的な精神状態を読み取る分野がスピリチュアルというわけです。
「心理学は論理的だから信じるけど、スピリチュアルは絵空事だから信じない」と考えている人は、自分の潜在意識にいつまでも目を向けることができません。
その反対に、「スピリチュアルに傾倒するあまり、理屈っぽい心理学は胡散臭い」と感じている人は、自分の精神状態を客観的に理解できず、目に見えるストレスや不安と向き合うことができません。
2つの関係性や特徴・長所、そして欠点も含めて理解することで、心理学とスピリチュアルの親子関係が円満に築かれ、健全な精神状態を保つことができるのです。
心理学とスピリチュアルの親子関係を示す具体例
たとえばあなたが、「頬杖をつく」仕草を取っていたとします。
この仕草が心理学とスピリチュアルにおいてどうはたらくのかを見ていきましょう。
- 心理学(顕在意識)…マイナスイメージ。悩みを抱えて心ここにあらずの人間にみられる仕草。【子】
- スピリチュアル(潜在意識)…無意識のうちにマイナスエネルギーを引き寄せてしまう。【親】
このように、親子関係のうち「子」にあたる心理学でマイナスイメージを与える仕草は、「親」であるスピリチュアルにおいてもマイナスにはたらくのです。
心理学とスピリチュアルの組み合わせでメンタルケア
心理学とスピリチュアルはいずれも心・精神をテーマとし、日々のメンタルケアに役立てられる分野といえます。
肉体の健康とは違い、精神の健康は自分では気がつきにくいものです。特に「ストレス社会」と呼ばれる現代においては、過酷な労働に耐えている間に精神を病んでいたなんてことも珍しくありません。
より密なメンタルケアをするためには、目に見える発言・行動・仕草から精神状態を読む心理学の知識が必要です。
また、目に見えない潜在意識を読み解くスピリチュアルの知識もあわせてもつことをおすすめします。
心理学でどんなことに気づけるのか?
心理学では、あなたの発言・行動・仕草に隠された精神状態を知ることができます。
喜怒哀楽といった感情はもちろん、焦り、不安、恐怖などの感情に気づくことも可能です。
心理学は、
- 貧乏ゆすりをしている時は不安を感じている
- 口を隠す仕草は何かを隠したい時にすることが多い
など、「○○している人は□□」というサンプルに自分を当てはめることで、自身の状態を客観的に分析できる分野です。
一方、心理学のサンプルはあくまで定例に過ぎず、すべての人に当てはまるものではありません。
上記の例で言うと、貧乏ゆすりや口を隠す仕草がただの癖でしかない人もいることでしょう。
心理学を学ぶ際は、「サンプルが必ずしも自分に当てはまるわけではない」という事実を頭の片隅に入れておくことで、より正確な自己分析ができるようになります。
また心理学は、自分の状態を客観的に知ることには長けていますが、落ち込んだ精神状態から立ち直ったり、落ち込まないための具体的な方法までを知ることは難しい分野です。
たとえば、アドラー心理学について分かりやすく教えてくれる『嫌われる勇気』という著書の中で、「自分の課題と他者の課題を分けて考えましょう」という重要な思考法(課題の分離)が記されています。
課題の分離とは、自分だけで対処できる目の前の課題に真剣に取り組むために、「自分の発言で相手がどう感じるか?」といった自分では対処しようのない課題は一切考えない(分離する)という思考法です。
このように、アドラー以外にも「フロイトの精神学分析」や「マズローの自己実現理論」など、多くの心理学者が人間のメンタルの解明に取り組んできました。
アドラー心理学が合わない人でも、フロイトの精神分析やマズローの自己実現理論なら自分の生き方や価値観とぴったり合うかもしれません。
自分と心理学の相性や人間の思考法そのものを知るために、心理学を学ぶことはとても大切と言えます。
一方で『嫌われる勇気』では、この思考法の重要性は教えてくれても、「どうやって課題を分離するのか?」「課題の分離を知った自分はどう行動すれば良いか?」といったパーソナルな対処法は明らかにしにくいという欠点があります。
心理学による客観的な自己分析はとても大切ですが、それと同時に、自分の精神状態を「どうやって良い方向に持っていくべきか?」と主観的な視点で考えられるスピリチュアルを併用することが、原因と対処法の両方を知るために効果的です。
-
自己実現の本質的な意味とその欲求を満たす2つの方法
マズローの5段階欲求のうち、最も高次な位置にあるとされる「自己実現欲求」。 ここでいう自己実現とは、ありのままの自分を謳 ...
続きを見る
スピリチュアルでどんなことに気づけるのか?
スピリチュアルでは、心理学で判明した精神状態をもとに自分のルーツ、使命、試練などに気づくことができます。
スピリチュアルは徹底してパーソナルな分野であり、「今自分は何をすれば良いのか?」「自分はどう行動すれば幸せになれるのか?」など、自分だけに当てはまる対処法や使命を教えてくれます。
そして、これまで何度も解説しているように、スピリチュアルを活用するためには、心理学による自己分析が欠かせません。
漠然と「不安が解消されないから瞑想してみよう」と考えるよりは、心理学を活用して「今感じている不安は将来に対する悲観だと分かったから、瞑想して今この瞬間に集中しよう」と具体的な行動理由を付けることで、今の自分に最適な行動を実践することができます。
目に見える部分から精神状態を読み解く心理学。
そして、目に見えない魂レベルの部分から自分の在り方を読み解くスピリチュアル。
いずれもあなたが、自分らしく人生を謳歌するために必要な「気づき」なのです。
自身のメンタルにとって常に最適なケアができるように、心理学とスピリチュアルの良いとこ取りを心がけましょう。
まとめ
心理学とスピリチュアルは、どちらも心・精神を読み解くために存在する分野です。
また、私たちの精神の根幹をなすスピリチュアルは「心理学の母体」といえます。
- 科学的なカウンセリングを受けるだけのメンタルケアが合わない方
- 空想的なヒーリングや瞑想ではメンタルケアが不十分だと感じる方
このような悩みを抱いて悶々としている方は、心理学とスピリチュアルを組み合わせたメンタルケアを意識してみてください。