自分を許すには「物事の判断基準」を変えるのが最も効果的な方法です。自分の決めた判断基準が完璧主義を誘発し、自分を許せなくなる事例は少なくありません。
そこでこの記事では、自分を許す最も効果的な方法について解説していきます。
自分を許す最も効果的な方法
自分を許すには「物事を善悪の判断基準で捉えない」という方法が最も効果的です。たとえば仕事のミスを上司に指摘された場合、「私はダメな奴だ」と落ち込む方は多いでしょう。
その時点で、「仕事を完璧にこなすのが善」「仕事でミスをするのは悪」という善悪の判断基準がはたらいています。
そうではなく起きた出来事をありのままに捉える視点が必要なのです。つまり、「仕事でミスをした。そのミスの原因は○○だ」というフラットな視点をもつということ。
物事を善悪で二分化しても生産的なマインドは身につきません。起きた出来事をありのままに捉えるという新たな判断基準に切り替えることをおすすめします。
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物事を善悪の判断基準でみる人は自分を許せない
善悪の判断基準でしか物事を捉えられない方は自分を許せません。自分にまつわるすべての行動を「善(正しい)」か「悪(間違い)」かに分け、「悪」に該当する言動をとるたびに自分を責めてしまうからです。
やがて善悪という自分のものさしに苦しみ、窮屈なマインドに縛られて生きることに…。起きた出来事をありのままに捉える判断基準を備え、「失敗に学ぶ」ことを意識しましょう。
失敗とは、ただの結果に過ぎません。その結果を悪ではなく「より良い自分に成長できるきっかけ」と捉えられれば、善悪の判断基準から逃れて失敗を肯定的に受け入れることができます。
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自分を許すことと甘やかすことは違う
物事を善悪の二択で判断してしまう人の多くは、自分を「許す」ことと「甘やかす」ことを混同しがちです。
自分を許すこととは、失敗を受け入れて、その経験を成長の糧にすること。その一方で、自分を甘やかすこととは、失敗から目をそらして過去の過ちから逃げる行為です。この2つの違いは「失敗を糧に成長できるかどうか?」にあります。
例えば「好きな人にフラれる」という同じ失敗体験をしても、自分を許せる人と自分を甘やかす人では、その経験に対する見方が次のように異なります。
自分を許せる人:自身の魅力が足りなかったり落ち度があったことを認めて、次の告白に成功するためにどんな努力をすべきか考えることができる。
自分を甘やかす人:自身の至らない部分を見ようとせず、フラれたことを相手のせいにして傷ついた心を満たそうとする。もしくは「フラれた原因はすべて自分にある」と考え、罪悪感に苛まれる。
このように、恋愛でも仕事でも、ひいては人生でも、自分を許せない人(甘やかす人)は「成功することが当たり前」「失敗は認めない」という完璧主義に陥り、いつまで経っても自己成長のきっかけすら掴むことができません。
自分を上手に許せる人間になるためには、「セルフ・コンパッション」を高めましょう。
自分を許す力の源「セルフ・コンパッション」とは?
「セルフ・コンパッション」とは、自分自身に思いやりや優しさを与えられ、あるがままの自分を肯定的に受け入れられる心理状態のこと。今この瞬間の自分の身体と精神に五感を集中させる「マインドフルネス」と似ていますが、セルフ・コンパッションはその状態に「自分自身を慈しむ力」を加えたものです。
セルフ・コンパッションは、次の3つの要素から成り立っています。
①自身への優しさ…自分の長所に目を向けて価値を認めること
②人類共通の意識…誰の人生にも良いことも悪いことも両方起こると認識すること
③マインドフルネス…過去でも未来でもなく今この瞬間の自分に意識を向けること
上記の3つの要素のうち、自分を許せない人にとって最も大切な要素が、②の「人類共通の意識」です。物事を善悪の二択で判断する人は「自分が一番正しい」と、自身の価値観をある意味で過信してしまっています。「人生に失敗はつきもの」という事実から目を背けてしまっているのです。
しかしこのマインドは、見方を変えれば自身の強みにもなります。自分を許せない人は、心のどこかで自分の実力を信じているからこそ、すべての物事を完璧にこなそうとしています。その活力を、成功・失敗という結果ではなく自己成長の過程に向けられれば、いつの日かあるがままの自分を好きになり、物事を肯定的に捉えることができるでしょう。
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セルフ・コンパッションの高め方
セルフ・コンパッションを高める一番の方法は、「慈悲と慈愛の瞑想」を行うことです。慈悲と慈愛の瞑想とは、今この瞬間の自分に集中するマインドフルネス瞑想の一種であり、次の言葉を心のなかで唱えながら瞑想を行う方法です。
「私が幸せでありますように。私の苦しみが無くなりますように。」
「私の親しい人々が幸せでありますように。親しい人々の苦しみが無くなりますように。」
マインドフルネス瞑想の対象は自分のみですが、セルフ・コンパッションを高めるための瞑想は、家族や友人・恋人などの他者にも慈愛の心を意識します。自分を許せない人も、親しい人なら無条件に許せる優しさを持っている人は数多くいます。その他者への思いやりの気持ちを、そっくりそのまま自分自身に向けるだけで良いのです。
ステップ①:慈悲と慈愛の瞑想によって他者への優しさを自覚する
ステップ②:マインドフルネス瞑想によって自分自身に意識を向ける
ステップ③:①で自覚した慈愛の気持ちを、②の瞑想時に自分自身に与える
この3ステップを繰り返し練習することで、瞑想をしていない時でも自分自身を許せる慈愛のマインドを手に入れることができます。
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まとめ
自分を許すことは、自分を受け容れる・思いやることでもあります。物事を善悪で二分しても生産的なマインドは構築されないため、起きたことをありのままに捉えましょう。
- マインドフルネスで、失敗した自分も順調な自分もあるがままに受け入れる
- セルフ・コンパッションで、自分自身を思いやり価値を肯定的に認める
このような判断基準に変えていくことで、物事や人を見る目も変わり、心にも余裕が生まれるはずです。