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コンフォートゾーンとは|抜け出すことの重要性と抜け出し方3選

コンフォートゾーンとは?抜け出すことの重要性と抜け出し方3選

ビジネス心理学に詳しい方は、「コンフォートゾーン」という考え方を耳にしたことがあると思います。このコンフォートゾーンに入ると自己成長が止まるとされ、ビジネスだけなく恋愛も人間関係も、願望を実現するにはここから抜け出すことが重要と考えられています。

そこで今回は、コンフォートゾーンの概要や抜け出し方について解説します。過去の自分から成長できていない、もっと成長したいと感じている方は必見です。

コンフォートゾーンとは?

コンフォートゾーンとは?

コンフォートゾーン」とは、Comfort(快適)とZone(場所・空間)を組み合わせた言葉で、文字通り居心地の良い場所や状態のことを指します。

コンフォートゾーンは、リーダーシップ理論の代表的な学者であるノール・M・ティシー氏が考案しました。そのためコンフォートゾーンの概念は、主にビジネス界における自己成長や目標達成の考え方として定着しています。

しかしコンフォートゾーンは、冒頭でお伝えした通り恋愛にも人間関係にも、あるいはスピリチュアル的な引き寄せに至るまで、あらゆる願望の実現や悩みの解消に活用することができます。

コンフォートゾーンについて知るには、コンフォートゾーンを含む「3つのゾーン」について理解する必要があります。その3つのゾーンとは、

  • コンフォートゾーン
  • パニックゾーン
  • ラーニングゾーン

です。

コンフォートゾーン(快適な空間・状況)

コンフォートゾーンとは、身体的にも精神的にも快適で、自身や周りの状況を完全にコントロールできる状態です。例えば、自分の発言ひとつで他人を指示通りに動かせたり、そこにただいるだけで尊敬され承認欲求が満たされるような、一切の努力や苦労が要らない状況がコンフォートゾーンです。

もちろん、様々な困難を乗り越えてきたからこそコンフォートゾーンにたどり着けたという場合もあるでしょう。その意味では、コンフォートゾーンに留まること自体は決して悪いことではありません。

しかし「自己成長」という観点においては、コンフォートゾーンに居続けていては叶えることはできません。コンフォートゾーンとは、悲観的に捉えるなら現状に甘んじている状態でもあるからです。

パニックゾーン(予測不可能な空間・状況)

パニックゾーン」とは、コンフォートゾーンの対極に位置し、現状が予測不可能かつ自力でコントロールできず、起こることすべてに受け身で対処せざるを得ない状態のことです。

例えば、仕事内容も人間関係もシフトもまったく違う職種に転職した直後のように、自分のこれまでの知識やスキルがどれも通用せず「今何が起きているのか」「どうすればいいのか」ということ自体が把握できない状況は、パニックゾーンに位置します。

パニックゾーンにいると、予測不可能な出来事が精神的な疲労やネガティブなストレスとなり、やはり自己成長は難しくなります。「パニックゾーンにいたおかげで結果的に成長できた」という場合もありますが、自ら進んでコントロール不能な状況に身を置くことは、合理的でもなければ生産性もただ下がるだけであり、避けるべきと考えられています。

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ラーニングゾーン(学びのある空間・状況)

ここまで紹介してきたコンフォートゾーンとパニックゾーンのいいとこ取りをした状態が、自己成長に最も有効とされる「ラーニングゾーン」です。

ラーニングゾーンとは、コンフォートゾーンのコントロール可能な状況とパニックゾーンの予測不可能性を組み合わせた、自己成長において理想的な状態です。例えば、職場のプロジェクトメンバーからプロジェクトリーダーに昇格した時のような「これまでの知識やスキルだけでは通用しないが、事態に対処することは可能で、成長できる未来も見える」という状況は、ラーニングゾーンに位置します。

マウスを使った実験では、不安レベルがやや上昇するラーニングゾーンのほうが、コンフォートゾーンよりパフォーマンスが向上するという結果が出ています。そして、このラーニングゾーンにいたマウスをパニックゾーンに入れると、生産性は目に見えて低下したそうです。

そのため、達成したい目標があったり自分を今より磨きたいという意欲のある人は、この3つのゾーンのうち「ラーニングゾーン」に身を置くことが重要なのです。

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コンフォートゾーンから抜け出すには?

コンフォートゾーンから抜け出すには?

コンフォートゾーンから抜け出すには、まず前提として「自分がどのゾーンにいるのか」を把握することが必要不可欠です。先ほどの3つのゾーンのうちパニックゾーンには、身体的・精神的なストレスという明確な基準があるため、パニックゾーンの判断はさほど難しくありません。

  • ストレスで寝つきが悪くなった
  • 食欲が湧かなくなった
  • 頭痛や便秘など慢性的な体調不良が増えた

といったように心身に不調をきたしている場合は、まずは積極的に休養して、ラーニングゾーンもしくはコンフォートゾーンに移行しましょう。

以上のことを踏まえて、ここからはコンフォートゾーンから抜け出す(ラーニングゾーンに移行する)方法を具体的にご紹介します。

【コンフォートゾーンの抜け出し方】

  • リスクに見合うリターンを具体的に抽出する
  • コンフォートゾーン以外の人と関わる
  • アファメーションを行いモチベーションを保つ

抜け出し方①:リスクに見合うリターンを具体的に抽出する

コンフォートゾーンから抜け出すためには、未知の物事に対する「挑戦」が欠かせません。その挑戦を恐れないために、リスクに見合う具体的なリターンを事前に抽出しましょう。

人には、不確かな未来や予測不可能な出来事を事前に避けようとする『回避行動』という心理があります。回避行動は、致命的な事態を未然に防げるメリットがある反面、リターンが期待できる挑戦すら無意識に避けるというデメリットもあります。

つまり人には、コンフォートゾーンにいようとする心理が本能的に備わっているのです。そして、この防衛本能を自己成長に繋がるように自制する方法が、具体的なリターンを知ることです。

ここで重要なことは、自力で達成可能な目標や獲得可能な報酬のみをピックアップすること。例えば「この資格を取得すれば必ず給料が上がる」と思って勉強に励んでも、昇給が会社規定などで約束されていなければ、苦労が水の泡になったり苦労ばかりが募りパニックゾーンに移行する恐れもあります。

そのため未知の物事に挑戦する際は、その行為自体を楽しむことができたり、努力に対する報酬が見込めることに時間と労力を割きましょう。リターンという明確な目標を作ることで、刺激的かつコントロール可能なラーニングゾーンに身を置くことができます。

抜け出し方②:コンフォートゾーン以外の人と関わる

コンフォートゾーンから抜け出す2つ目の方法は、「自分のコンフォートゾーンの外にいる人と関わる」こと。

自分に対する尊敬や称賛しかないコンフォートゾーン内の人とだけ関わるということは、いわば『裸の王様』でいるようなもの。ありのままの自分が認められている状況はかけがえのないものですが、一方で現状に甘えてしまい、より高いスキルを身につけたり知識を深めることは難しくなります。

今の自分とは異なる職業や社会的な立場・年収・価値観・生活スタイルなどを持つ人と関わることで、コンフォートゾーンでは得られない有益な刺激を受けることができるでしょう。

ここで重要なことは、自分のコンフォートゾーンの外にいる人と「実際に関わる」ということ。自己啓発系の書籍やYouTube動画をコンフォートゾーンにいながら視聴しても、脳内では他人事として処理され、身になる学びを得ることは難しくなります。

特定の人に実際に会い、相手のゾーンに足を踏み入れることで、自分のコンフォートゾーンから確実に抜け出すことができます。ラーニングゾーンに移行するためには、ストレスにならない程度に、自分の身をアウェイな状況に置くことも大切です。

抜け出し方③:アファメーションを行いモチベーションを保つ

コンフォートゾーンから抜け出す3つ目の方法が、「アファメーション」によって未知の挑戦に対するモチベーションを保つこと。アファメーションとは、自分自身にポジティブな言葉を投げかける「肯定的な自己暗示」です。

「私の挑戦は絶対に成功する」「私には願いを叶える力がある」といったように、自己肯定感を高められる前向きな言葉を、実際に自分の口で発しましょう。言語化することで聴覚にダイレクトに訴えることができ、ただ頭で考えるより潜在意識に定着させやすくなります。

アファメーションによってコンフォートゾーンから抜け出せる自分が深層心理に植え付けられれば、ラーニングゾーンにいないことに違和感を覚えるはずです。無理なく前向きにコンフォートゾーンから抜け出すために、アファメーションを積極的に活用しましょう。

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まとめ

コンフォートゾーンは、ストレスフリーで理想的な状況に思える反面、生産性が下がり現状に対する甘えが生まれる恐れもあります。しかしその一方で、自分に厳しくしすぎるとパニックゾーンに突入し、かえってパフォーマンスや心身の健康に悪影響を及ぼしかねません。

今の自分がコンフォートゾーンにいると感じている方は、今回ご紹介した抜け出し方を実践して、自己成長に繋がるラーニングゾーンに徐々に移行していきましょう。

 

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