組織ではなく個人に焦点が当たるとされる現代において、クリエイティブ力・創造力は必須の能力とされています。とはいえ、アイデアが湧かないと悩む方は少なくありません。
そこでこの記事では、クリエイティブ力・創造力を強化するにはどうすべきかを解説していきます。おすすめの本2冊も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
そもそも創造力とはどんな能力なのか?
「創造力」とはそもそもどんな力なのか、この機会に今一度考えてみましょう。
創造力とは、単純に0から1を生み出すスキルのことではありません。「創造性を働かせたい」と思った時、そこには次のように他者の存在があるはずです。
- 良い作品を世に送り出して評価されたい
- クライアントを喜ばせたい
- 独創的なアイデアを起業して形にしたい
このように創造力とは、自分の個性や独創性が他人よりも高いことで初めて成り立つ力なのです。もし、この世界に自分1人しかいなかったら、自身が生み出すすべての発想は唯一無二のオリジナルになり得ますよね。さらに言うと、そもそも他人がいなければ「創造力を高めたい!」と思うこともないはずです。
つまり創造力とは、単に新しいものを生み出す力ではなく、常識に囚われないアイデアや創意工夫によって他人に価値のあるものを提供する力なのです。
『ひまわり』で有名な画家のフィンセント・ファン・ゴッホは、後世でようやくその価値を認められましたが、生前は批判され続け、画家として生活できないほど「創造力のない人」と思われていました。たとえオリジナリティがあっても他人に評価されなければ、その人に創造性は「ない」と判断されてしまうのです。
このことからも、創造力を強化するためには「他人に喜ばれること」も必須であると押さえておきましょう。
クリエイティブ力・創造力を強化する5つの方法
創造力を高めるためには、具体的にどのような鍛錬を積めば良いのか?
ここからは、仕事にも私生活にも役立ち、誰でも実践可能な創造力の高め方を5つご紹介します。
創造力の鍛え方①:未知に挑戦する
クリエイティブ力・創造力とは、既存の事柄から新しいものを生み出す能力。その能力を強化するには「未知に挑戦すること」が有効といえます。
- 初めて行くお店で食事をする
- 知らない分野の勉強を始める
- 自分とは真逆の性格をもつ人と対談する
こうして未知の事柄・人物から「アイデアの素」をもらうことは大いにあるのです。反対に、いつもと同じルーティンで生活している場合は、クリエイティブ力・創造力が磨かれにくいかもしれません。
創造力の鍛え方②:正解や常識を疑う
創造力の高い人の共通点は、「常識はずれの発想を持っていること」です。創造力が豊かな人は、どんな人物のどんな言葉であってもすぐに鵜呑みにせず、あくまで「可能性の1つ」と考えます。常識とはいわゆる王道に過ぎず、常識を疑った結果、自分が正しいと信じる「邪道」を歩んでも良いのです。
このように、誰もが当たり前に思っている前提条件に疑問を持つことが、創造力を高めるための第一歩です。そして、誰もが否定する常識はずれのアイデアを実現し、他人に価値を提供できた瞬間、あなたは「創造力のある人」になれたと言えるでしょう。
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創造力の鍛え方③:120%を求める
創造性のある人の特徴の1つは、「求められる以上の価値を提供できること」です。
他人の期待に100%で応えることも、充分に素晴らしい能力です。しかし、創造力を高めたいと思った時は、120%の価値やクオリティを求める必要があります。相手の期待に100%応えても、厳しい表現ですがそれは「想定通り」なのです。
これまで何回もお伝えしている通り、創造力とは他人に認められて初めて意味のある力になります。ここで注意すべきことは、+20%が自己満足にならないようにすること。創造力を高める前に、まずは相手や世間が求めるものを100%のクオリティで提供できることが、特に仕事においては創造力を発揮する前提条件となります。
創造力とは、自分の評価や収入を一変させられる反面、完璧主義であるだけでなく+αの価値を求められる、取得の難しいスキルでもあるのです。
創造力の鍛え方④:物事を多角的に考える
創造力を鍛える4つ目の方法は、「物事を多角的に見たり考えること」です。例えば、仕事のやり方を一方向からしか見つけられない人と、広い視野でいろんな切り口を見つけ出せる人では、後者のほうが斬新で効率的な発想が生まれやすいことは一目瞭然ですよね。
常識にとらわれない発想や工夫とは、既存のジャンルの組み合わせによって生まれることもあります。他ジャンル(多ジャンル)の知識を蓄え、目の前の課題を乗り越える方法を様々な立場から考えられるようになると、他人には決して思いつかない自分ならではのアイデアを提供することができます。
また、物事を多角的に考えることで創造力を鍛えることのメリットは、「生まれつきの才能が必要ない」ということ。やること自体は「いろんなジャンルに興味を持ち、知識を深め、組み合わせを試す」という試行錯誤の繰り返しです。
読書量や新体験・未知への挑戦を増やすことで、誰でも創造力を鍛えることができるのです。
創造力の鍛え方⑤:思いついたアイデアをすべてメモする
いくら創造力の高い人でも、思いついたアイデアがすべて最高の結果を生むとは限りません。他人に貢献できる独創的な発想とは、試行錯誤の末にひらめくものです。
その試行錯誤を重ねるべく誰もが実践できる方法が、「思いついたアイデアをすべてメモ(見える化)すること」です。その瞬間に「良い!」と感じたアイデアは、後々悪い結果をもたらしそうに思えたとしても、とにかく反射的にメモに残しましょう。
多くの人は、その瞬間にひらめいたアイデアを熟考せずに否定したり、成功の可能性をその場で潰してしまいます。どんなアイデアであっても見える形に残しておけば、時が経ったり環境や自分の思考が変わった時にメモを見直した時に、偉大な発想に結びつく可能性は充分にあります。
また、「思いついたことをすべてメモに残す」という行動自体も、自身の創造力の強化に貢献してくれます。手書きのメモでもスマホのアプリでも、思いついたその瞬間にアイデアを書き残す癖をつけて、創造力の幅を広げていきましょう。
まとめ
クリエイティブ力・創造力のある人とない人の差は行動習慣や思考法に表れます。まずは、「未知のことを始めてみようかな」「今までとは違う考え方をしてみようかな」という気持ちを大切にしながら、いつもと違う視点を意識してみましょう。
また、創造力を鍛えたり創造性に富んだ思考を持ちたい方は、次の2冊の「クリエイティブ」に特化した書籍も参考にしててください。
『クリエイティブ・コーリング』(チェイス・ジャービス/多賀谷 正子)
ライブ動画で講義を配信する「クリエイティブ・ライブ(creative LIVE)」というしくみを作り、200ヶ国・200万人のユーザーを獲得したチェイス・ジャービスの著書。
著者は写真家、起業家、監督といった多彩な肩書きをもちます。実践的なビジネスにおけるクリエイティブ力・創造力を強化したい方から、創造性の絶えない人生を設計したい方に至るまで幅広くおすすめできる1冊です。
『クリエイティブ・マインドセット』(デイヴィット・ケリー/トム・ケリー他)
スタンフォード大学の教授やデザイナーなどの肩書きをもつデイヴィット・ケリーの著書。
誰もがクリエイティブ力・創造力を持ち合わせているとし、その能力を引き出す思考法について網羅的に学ぶことができます。
他の人が想像し得ないアイデアや発想は、意識と鍛え方次第で、誰でも何歳になっても生み出すことができます。ご自身の可能性を信じて、クリエイティブ思考を手に入れましょう。