「ダメな自分を変えたい」と強く願っていても、自分なりに努力をしてみても、自己否定から抜け出せず焦りや不安を感じることはないでしょうか。自分のことを「ダメじゃない」と肯定したり「ダメでもいい」と達観できれば、劣等感は解消され、自分を好きになることができるでしょう。
そこで今回は、ダメな自分を根本から変えるための自己変革を4つご紹介します。方法論に加えて、根本的な意識の変え方まで深く知りたい方は必見です。
自分のことをダメだと思ってしまう原因
ダメな自分を変えるための第一歩は、自己否定の原因を知ること。自己肯定感を下げる要因は、ネガティブな思考パターンだけでなく、人間関係や環境など様々です。
今の自分の状況と照らし合わせながら、当てはまる原因を明らかにしましょう。
【自分をダメだと思い込ませる原因】
- 完璧主義な性格
- 他人との比較
- コンフォートゾーン
- RAS(脳幹網様体賦活系)
- エナジーバンパイア
原因①:完璧主義な性格
「完璧主義者」は、常に理想的な結果を求めて努力をすることができる人。しかし事実としては、この世にすべてを完璧にこなせる人はおらず、失敗しない人もいません。その完璧主義な性格がネガティブに働くと、どんなに小さなミスでも許せなかったり高すぎる目標を設定して成功体験をなかなか得られず、自責的になってしまいます。
完璧主義な性格の最大の弊害は、自己否定の悪循環に自ら陥ってしまうこと。自分を許したり他者や環境に合わせて妥協することができない限り、「ダメな自分」という思い込みを自分自身で強化し続けてしまうのです。
【完璧主義者の自己否定の悪循環】
- 失敗への恐怖…物事を完璧にこなさなければいけないと思うあまり、失敗を恐れる
- チャレンジ精神の低下…失敗を恐れてチャレンジ精神が下がり、成功や自己実現のための適正なリスクを取れなくなる
- 自己肯定感の低下…挑戦しないことで成功体験を得られなくなり、ますます自己肯定感が下がる
このように完璧主義な性格は、自己肯定感を高める上では足かせになってしまうケースが多いのです。
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原因②:他人との比較
「他人との比較」も、自分がダメな人間という思い込みを強化する原因です。
他人との比較は、必ずしも誰もが避けるべきNG行為ではありません。憧れの人と自分の現状を比較することで成功のためにすべきことを明らかにしたり、理想の自分を想像してモチベーションを保つこともできるからです。
他人との比較には、向上心を引き出す「良い比較」と、自己否定を強化する「悪い比較」があります。他人との比較に悩んでいる人は、自分がどんな比較をしているのか、比較することでどんな気持ちになっているのか振り返りましょう。
【良い比較】
- 他人の優れている部分を見て、自分の長所や個性を見つけ出す機会にする
- 成功者に自分の理想の姿を投影して、その人に少しでも近づこうと前向きに行動する
- 社会的な成功基準に引っ張られることなく、自分の豊かさを追求して自分軸で生きる
【悪い比較】
- 他人の優れている部分を見て、自分の短所が強調されたり劣等感が増す
- 成功者に自分に理想の姿を投影して、現実とのギャップに悩むばかりで行動を起こせない
- 社会的な成功基準に引っ張られ、自分の豊かさを見失って他人軸で生きる
自分がダメだという思い込みを変えるには、比較そのものをやめようとするより、比較の仕方や対象を変えることが重要です。
原因③:コンフォートゾーン
「コンフォートゾーン」とは、Comfort(快適)とZone(空間)を組み合わせた言葉で、自分にとって居心地の良い環境や状況を指す概念です。人はどんな時も、3種類のゾーンのいずれかに身を置いていると考えられています。
【3種類のゾーン】
- コンフォートゾーン…自分や周囲の状況を完全にコントロールできる、自己成長の必要がまったくない状態
- パニックゾーン…予測不可能な状況に受け身で対処せざるを得ず、自己成長を意識できない状態
- ラーニングゾーン…コントロール可能な状態と予測不可能性が共存する、自己成長の意識も実感も得られる状態
コンフォートゾーンにいる人は自己肯定感が高い一方で、成長を実感できず能力を発揮する機会も得られないため、かえって自分の価値を否定してしまいます。そのためダメな自分を変えたい人は、居心地の悪い環境だけでなく、コンフォートゾーンからも抜け出す必要があるのです。
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原因④:RAS(脳幹網様体賦活系)
「RAS(Reticular Activating System)」は、脳幹網様体賦活系(のうかんもうようたいふかつけい)と呼ばれる神経系のこと。RASは、自分が関心のある情報を優先的に処理し、不要な情報をインプットしないようにするフィルターの役割を担っています。例えば、ダイエット中に甘い食べ物ばかりが目についたり車の購入を考えている時に気になる車種がやたらと視界を横切るようになったりと、関心を向けた情報が無意識に入ってくる理由は、RASが働いているから。
もしダメな自分を変えたいと思っても、「自分はダメな人間」という思い込みが根強いと、脳は自己否定を強化したり自己成長を妨げる情報を優先的にインプットするよう働きます。そのため一時的にはやる気が出てもモチベーションを持続できず、継続力も育たないのです。
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原因⑤:エナジーバンパイア
「エナジーバンパイア」とは、周囲の人からエネルギーを奪う人物のことを指します。エナジーバンパイアと関わると、自己否定や自己不信が強化され、「ダメな自分」というレッテルを強制的に貼られてしまうのです。
【エナジーバンパイアの特徴】
- 愚痴や文句ばかりで自分から行動しない
- 他人の悪口を言って自分のストレスを解消しようとする
- 自己中心的で他人を見下す言動を繰り返す
- 感情的に否定するばかりで論理的な思考や判断を放棄する
- 自分が楽をするために他人に依存する
どれだけポジティブな人も、常にネガティブ思考のエナジーバンパイアと関わり続ければ、エネルギーを奪われるばかりで否定的な感情が無意識に育ってしまうでしょう。「自分の周囲の5人を平均すると自分になる」という格言があるように、エナジーバンパイアから離れない限り、自分への否定的な思い込みを完全に無くすことはできないのです。
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ダメな自分を変えたい人が今すぐ実践すべき自己変革
「ダメな自分を変えたい」という意志を感じたその瞬間が、完璧主義を手放し、コンフォートゾーンから抜け出し、エナジーバンパイアと縁を切るためのベストタイミングです。
人は最高のアイデアを思いついても、実行する人は100人中10人しかおらず、そこから成功するまで努力し続けられる人はたった1人しかいないと言われています。しかしこの現象を別の視点から見ると、今すぐ行動を起こすことさえできれば、あなたは上位10%の「自己変革の機会を掴む人」になれるのです。
以下では、自分のことをダメだと決めつけるマインドセットの変え方を具体的にご紹介しています。いきなり成功しようとせず、挑戦そのもののハードルを下げて、まずは小さな一歩を踏み出すことから始めましょう。
【ダメな自分を変える方法】
- 「今この瞬間」に集中する
- 「頑張らないこと」を頑張る
- 考える前に動く
- 音声学習で肯定的な情報に触れ続ける
ダメな自分を変える方法①:「今この瞬間」に集中する
「自分はダメな人間」という否定的な観念を手放すために意識したい1つ目の方法が、「今この瞬間に集中すること」です。数分先のことも昨日の失敗も思い浮かべず、1分1秒に全神経を集中させましょう。まさに今この記事を読んでいるあなたなら、時間も集中力も「記事を読む」ということだけに使ってみてください。
今この瞬間に集中することの最大のメリットは、少なくともその時間だけは自分を否定しなくなるということ。学生時代の親友も社会人になって繋がりが薄れれば自然と疎遠になっていくように、ダメな自分を変えるには「自己否定の時間や意識を減らす」ということが肝心です。
例えば、いつもダラダラとYouTubeを見ては後悔してしまっている人は、YouTubeを見ることに全力で集中するのです。すると、自分にとって必要な動画だけを視聴するようになったり、関連動画を無意味に漁ることが次第にもったいなく感じられるようになるでしょう。
今この瞬間に集中する時は、他人に評価されたり社会的な意義のあることをする必要はありません。むしろダメな自分を変えたいなら、他人に褒められる必要のないことや、真剣になるのが滑稽に思えることほど集中して取り組みましょう。元メジャーリーガーのイチロー選手が「無駄なことをしないと合理的になれない」と語るように、自分にとって不要なものや欠点を経験から知ることで、初めて合理的に自分を改善していくことができるのです。
自分をダメだと思い込ませている原因を見つけ、自己否定の観念を確実に薄れさせていくためにも、常に今この瞬間に意識を集中させることを心がけましょう。
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ダメな自分を変える方法②:「頑張らないこと」を頑張る
ダメな自分を変えるには、何事に対しても「頑張らない」ということも必要です。「頑張らないと自分を変えられないのでは?」と思うかもしれませんが、完璧主義の傾向があったり悪い比較が癖になっている人にとっては、むしろ「頑張らないことを頑張る」ほうが健全なのです。
【頑張らないことのメリット】
- 自分への高すぎる期待やハードルを下げられる
- 「◯◯しなければならない」という義務感を和らげられる
- パニックゾーンからラーニングゾーンに移行しやすくなる
ダメな自分を変えたいと思っている人は、すでに十分に頑張っている人、あるいは潜在的に頑張りたい気持ちが一段と強い人です。そうした人は、あえて「頑張らない」という意識を自分自身に植え付けることで、目標達成の過程にある小さな成果や成功を見つけられるようになり、少しずつ自分を好きになっていくことができるでしょう。
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ダメな自分を変える方法③:考える前に動く
ダメな自分を変えるための一番の特効薬は、「考える前に動く」ということ。
「ダメな自分を変えたい」とどれだけ強く念じても、ただ考えているだけでは、現実は一向に変わりません。この現実世界で何らかの変化を起こすには、空想を行動によって現実化することが必須です。
しかし、自分を変えたいと願う人の多くは、「行動しないといけない」ということは頭の中で分かっているもの。それでも動けない原因は、行動する理由と同じかそれ以上に、「行動しない理由」を考えてしまうから。
例えば「やる気を出す方法」をスマホで探している人は、その時点でやる気がない自分を自覚しているということになります。モチベーションを上げる方法はいくつも見つかりますが、自分に合うやり方を探せば探すほど、やる気のない自分がどんどん強調され、自己否定の悪循環に陥るでしょう。
また、そもそも「やる気は存在しない」ということが、脳科学的にも解明されています。やる気が出るから行動するのではなく、行動することでやる気スイッチが入るのです。
ダメな自分を変えるための最適解は、人それぞれです。しかし確実に言えることは、自分をどれだけ変えられるかは、「考える時間より行動する時間に比例する」ということ。
「百聞は一見にしかず」と言われるように、考えても考えなくても「やる」という結果にたどり着くなら、考える前に動くほうが効率的なのです。特に自己否定が習慣化してしまっている方ほど、思考ではなく行動に重点を置くようにしましょう。
ダメな自分を変える方法④:音声学習で肯定的な情報に触れ続ける
「自分はダメな人間だ」「自分は変われない」という思い込みを書き換えるには、RASの働きを有効活用しましょう。「音声学習」によって自分がインプットしたい情報に触れ続けることで、潜在意識に植え付けられている自己否定の癖や習慣を変え、ポジティブ思考への切り替えが自然に促されます。
【音声学習のメリット】
- スキマ時間に実践可能…耳さえ空いていれば、通勤中も家事の最中も自己肯定感を高める時間に変えられる
- 継続しやすい…関心のある情報や気分が上がる情報を聞くだけで良いため、飽きずに楽しく続けられる
- やるべきことが具体的…「そもそも何をすればいいか分からない」ということがないため、最初の一歩を踏み出しやすい
音声学習をする際に、コンテンツの内容を一回ですべて理解する必要はありません。ただその時々で、気分を持ち上げてくれたり知りたい情報を聞けそうな動画やラジオ番組を再生するだけで十分です。
音声を聞き流していると、RASが必要な情報に自動的に注目し、「気になる」という気持ちにさせてくれます。興味をそそられる情報を見つけた時に初めて、その知識を深堀りすれば良いのです。
何をすべきか分からず迷いや焦りを感じている方は、今日から音声学習を日常生活に取り入れましょう。
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まとめ
今回は、自分のことを否定してしまう原因と、ダメな自分を根本から変えるためのマインドセットの方法について解説しました。
記事を読み終えた今、あなたがしたいことは何でしょうか?
次の瞬間、スマホを閉じ、やりたいことをすぐに始められたあなたは、昨日よりも確実に成長しています。今からは、ただ目の前のことにのみ意識を集中しましょう。