社会人の人間関係は「仕事」を軸に広がっていきます。学生時代の友達付き合いとは勝手が違い、マナーやモラルを重んじた人付き合いをしなければ良好な人間関係は築けません。
そこでこの記事では、社会人の人間関係で失敗しないための基本原則3つを紹介します。「当たり前だけど忘れがちなこと」を再認識し、円滑に社会人の人間関係を育みたい人は必見!
1. 誰に対しても分け隔てなく笑顔で挨拶/会話をする
社会人の人間関係の基本原則は分け隔てなく笑顔で挨拶・会話をすることです。特定の相手にだけ愛想よく接するのではなく、誰に対しても平等な接し方を心がけましょう。
意図的に挨拶や会話をしない相手を社内に作るのはNG。社会人の人間関係を円滑に築くためには、社内に敵を作らないことが大前提となります。
敵を作らないことの重要性
社会人としての最優先事項は「与えられた仕事をこなすこと」です。いくら性格の良い人でも、仕事を完了させられない人は社会人として評価されません。
よく「会社は友達作りの場所ではない」と言われますが、まさにその通り。会社とは、良い人間関係を築くことより与えられたタスクを確実にこなすことのほうが、優先度も価値も高いことを肝に銘じておきましょう。
「与えられた仕事をこなす」という点においては、他の社員とのプライベートな仲を深めるより「社内に敵を作らないこと」のほうが重要です。上司に目をつけられたり苦手な同僚が増えるほど、あなたの仕事はどんどんやりにくくなります。その反対に、最低限の挨拶と報連相(報告・連絡・相談)さえできていれば、少なくとも好みや性格以外で職場に敵を作ることはありません。
社会人の責務である仕事をスムーズに片付けるためにも、人間関係の基本となる挨拶は、上司にも部下にも好きな人にも嫌いな人にも、別け隔てなく行いましょう。
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良い人間関係は積極的に築こう
ここで勘違いしてはいけないことが、「敵を作らないこと」と「誰とも仲良くしないこと」は、まったく別の話ということです。もし職場にプライベートでも付き合えるほど仲の良い人がいれば、忙しい時に仕事を無償で手伝ってくれたりピンチの時に上司に掛け合ってくれたりと仕事におけるメリットも大きく、心理的な安心やストレス軽減にもつながります。
仕事だと割り切り、誰に対しても平等に接することも大切ですが、せっかく気の合う人と仲良くなれるチャンスを自らふいにする必要もありません。仕事という義務を超えて仲良くなれそうな人間関係は、ギブアンドテイクの気持ちで積極的に深めていきましょう。
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2. 入社間もなくは、社内の人間のプライベートには深入りしない
入社間もなくは、社内の人間のプライベートに深入りしないようにしましょう。こちらも社会人の人間関係の基本原則と言えます。
特定の相手と親しくしすぎれば、相手との関係が悪化した際に仕事に支障が出る恐れも。社内で起こる人間関係のこじれは周囲にも迷惑が及ぶので、仕事とプライベートの線引きをしっかりと行いましょう。
社会人は最低限の人間関係を築ければいい
職場の人間関係は、最低限のコミュニケーションができていればなんの問題もありません。先ほどもお伝えした通り、社会人が最優先すべきことは「与えられた仕事をきちんとこなすこと」であり、友達作りは二の次だからです。
自分の仕事を確実に完了するためには、社会人としての最低限の人間関係やコミュニケーション能力は必要不可欠です。
例えば、
- 挨拶を無視したりこちらから挨拶しない
- 嫌いな人には目も合わせない
- 相手に聞こえるように愚痴を言う
- 自己満足のためだけに嫌がらせをする
こうした行為は、自分だけでなくその相手や他の仕事仲間にも支障をきたすため言語道断です。しかし、嫌われない程度の挨拶ができていて、報連相をスムーズに行うことができれば、相手のプライベートに深入りする必要性は一切ありません。そう考えると、職場の人間関係が前より気楽に感じられる人も多いのではないでしょうか。
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新社会人は学生の人間関係を引きずらないこと
特に最近まで学生だった新社会人は、これまでの人間関係の価値観を会社に持ち込まないように気をつけましょう。クラスメイトや部活の仲間のイメージを持ったまま職場で人間関係を築こうとすると、必ず心が疲弊します。
学生の頃は、自分の成績がいくら悪くても他の学生に迷惑はかかりません。しかし社会人は、自分の仕事をきちんとこなせないと他の人に迷惑をかけてしまいます。社会人にとっては、友達作りの能力より仕事をきちんとこなすスキルのほうが重要であり、スキルが高い人は職場内の円滑な人間関係も築きやすくなるのです。
職場の人間関係は、最低限の挨拶と報連相さえできていれば、思った以上にドライでも成り立ちます。その上でプライベートに深入りできるくらい相性の良い人を見つけたら、それは本当に奇遇で喜ばしいこと。「仲良くしよう!」と意気込んでつらく感じている人は、職場のつながりをもっと浅く見て、人間関係のハードルを下げてみてください。
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3. 会社の利益に繋がる人脈を増やす
社会人の人間関係の基本原則に、会社の利益に繋がる人脈を増やすというものもあります。接点をもつことで売上増・利益増が狙える人脈を増やしていくのが社会人の世渡り術です。
あるいは、自分にとってメリットのある人脈を増やすという言い方もできます。人間関係において損得勘定が発生するのは寂しい部分があるものの、社会人の多くはこうして人脈を広げているのが事実。自分のメリットになり得る人間関係を築いておくことで、仕事を今よりやりやすくなったり、出世の機会を増やすこともできるでしょう。
人脈を無理に築く必要はない
今回解説している社会人の人間関係の基本原則は、主に「失敗しないため」の心構えです。出世や社内評価の向上を狙っている人は、会社という大きな組織の利益につながる人脈をどんどん獲得していきましょう。
その一方で社会人は、与えられた仕事を過不足なくこなすことさえできれば、それ以上頑張る必要もありません。自営業者やフリーランスと違い、社会人の給料は良くも悪くも時給で換算されます。歩合制でない限り、あなたがどれだけ頑張っても、努力に見合う報酬を得られないことも多いのです。
会社の利益になるような人脈を築くことは、あくまで世渡り術の1つです。人間関係で失敗しないためには、会社にとって価値のある人脈よりも、自分自身の仕事を楽にできる人間関係に、より強くアンテナを張りましょう。あなたがストレスなく働けることが、同じチームや部署の仕事仲間、ひいては会社への貢献になります。
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まとめ
社会人の人間関係で「失敗した」と思ったら、3つの基本原則を見直してみましょう。1つでも見落としている点があれば、すぐに社内の人間との接し方の軌道修正を行うべきです。
そして、あなたが身を置いている環境が「学校」ではなく「会社」だということを再認識してください。自分と会社の双方にとって実りある人間関係を築いていきましょう。