最近、話題に挙がっている「人間関係リセット症候群」。人間関係リセット症候群とは、自分が築き上げた人間関係を捨ててしまう癖を指します。
スマホやSNS文化が浸透している昨今、簡単に他人と繋がれるようになった反面、人間関係が密になりすぎてしまうという声も。
そこでこの記事では、人間関係リセット症候群とは何かを解説していきます。人間関係リセット症候群になりやすい人の特徴3つも、あわせてお伝えしたいと思います!
人間関係リセット症候群とは?
人間関係リセット症候群とは、自分が築き上げた人間関係を捨ててしまう癖のこと。精神疾患・病気には含まれないものの、該当者は深刻な悩みとして受け止めがちな症状です。
人間関係リセット症候群は「スマホ・SNS文化」の代償?
スマホを片手にSNSをチェックする文化は、現代人にとってもはや当たり前。そんな文化が浸透したことで、人間関係リセット症候群が生まれたのではないかと考えられています。
実際のところ、スマホ・SNSさえあれば「見知らぬ人」と容易に繋がれます。国内・海外を問わず、チャットから無料通話まで可能です。
こうして「いつでも他人と繋がれる」という文化が構築されたことで、「人間関係をリセットしてもまた繋がれる」という考え方の人が増えていったと予想できます。
人間関係リセット症候群になりやすい人の特徴3つ
特徴1:衝動任せの行動が多い
人間関係リセット症候群になりやすい人の特徴1つ目は、「衝動任せの行動が多い」。ここでいう「衝動任せ」とは、自分の気分次第で物事を選択・決断するという意味合いです。
- いきなりSNS上の人間関係をブロックする
- 知人/友人に通知せず連絡先を変える
- 気分次第で親しい人間とも音信不通になる
- 職場環境に不満はなかったはずなのに、度々転職をする
このように、「思い立ったが吉日」とでも言わんばかりに行動する人は、人間関係についても同様の価値観をもっていると考えられます。
特徴2:1人の時間が好き
人間関係リセット症候群になりやすい人の特徴2つ目は、「1人の時間が好き」。単独行動や1人でできる作業にハマる人は、人間関係リセット症候群になりやすいとされています。
というのも、1人の時間が好きな人は人間関係をわずらわしく感じやすいからです。グループ行動が多い環境には嫌気がさし、すぐにフェードアウトする傾向があります。
- リフレッシュしたいときは読書に限る
- 仕事は自宅でも取り組める在宅ワーク
- 嫌なことがあれば1人で瞑想する
このように、どこかのタイミングで必ず1人の時間を設けたい人は、自分以外の他人との関わりが生じる人間関係を断ち切りたくなることもあるわけです。
特徴3:自己主張が苦手
人間関係リセット症候群になりやすい人の特徴3つ目は、「自己主張が苦手」。他人に自分の意見や価値観を伝えることにプレッシャーを感じてしまう特徴をもっています。
- グループ内で自分の意見を求められることに苦痛を感じる
- 「はっきり言わないと伝わらないよ」と責められると余計に委縮してしまう
- できることなら対面して意見を言い合うような場面を避けたい
このように、自己主張が苦手な人は、面と向かって意見を言い合うことの多い人間関係にストレスを感じてしまうことがあるのです。
人間関係リセット症候群は必ずしも「悪癖」とは限らない
人間関係リセット症候群を「悪癖」だと捉える人もいますが、一概にそうとは言えません。大切なのは、自分がリセットしたことを後悔しないかどうかです。
- 人間関係をリセットしてから、自分らしく生きられるようになった
- 人間関係をリセットしたことで、他人に対して感じていたストレスがなくなった
こうして、その後の人生を「前向き」に捉えられるようになったのであれば、人間関係リセット症候群になって良かったとさえ思えるはずです。
あなた自身が後悔しないのであれば、人間関係をリセットしても良いでしょう。ただし、リセットした人間関係は簡単に戻らないということも念頭に置いておいてください。
人間関係をリセットする前に考えたい2つのこと
人間関係をリセットしたくなった時は、
- 衝動的にリセットしようとしていないか?
- 関わる人全員から好かれようとしていないか?
この2点について、まずは一呼吸置いて、じっくりと考えてみましょう。
衝動的にリセットしない
人間関係を衝動的にリセットしてしまった場合、ほぼ確実に後悔します。先程お話しした通り、リセットした人間関係は簡単には戻せません。しかしリセットしたい衝動に駆られてしまうと、元の関係に戻れないことを忘れてしまうのです。
このように勢いに任せて人間関係を断ち切らないよう、一度落ち着きましょう。そして、「なぜリセットしたいのか?」「リセットせずに解決できないか?」「リセットが最善なのか?」を冷静に考えてみてください。リセット後のことを客観的に想像できていれば、過度に落ち込んだり後悔することはなくなります。
また、すべての人間関係を断ち切るのではなく、必要・不要な関係に整理する「人間関係の断捨離」も効果的です。散らかった部屋を綺麗に片付けるように、人間関係も断捨離してみると心がスッキリするかもしれません。
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「全員から好かれることはできない」と理解する
リセット癖のある人の特徴として、「完璧主義」や「八方美人」であることも挙げられます。
誰とでも仲良くしたいがために、少しでも嫌われたり避けられたりすることにストレスを感じてしまい、人間関係をリセットすることで完璧な状態を維持したいと思ってしまいます。
この場合のリセットは、まったく健全ではありません。どんなに好感度の高い有名人にも「アンチ」がいるように、他人と関わる以上、自分を嫌う人は必ず現れるからです。この嫌いな人が必ず現れる現象は、心理学における「パレートの法則(2:6:2の法則)」が成り立ちます。どんな人間関係も、「2(好き):6(どちらでもない):2(嫌い)」の割合に当てはめることができます。
完璧主義の人ほど、自分を嫌っている2割の人とも仲良くしようとエネルギーを過剰に使ってしまい、その関わり方に疲れ果ててしまった結果、すべてをリセットしてしまうのです。
ここでお伝えしたいことは、「全員から好かれることはできない」と知ることと、「嫌われていることに悩む必要はない」ということです。自分に原因がなければ、その相手は自分を妬んだり相性が悪かったりと、対策しようのない理由で嫌っている可能性があります。そのような解決できない人間関係に悩む必要は、一切ありません。
八方美人だと感じている方は「人間関係に完璧はない」と理解することで、衝動的なリセットが減り、人間関係に疲れることもなくなります。
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まとめ
既存の人間関係を捨ててしまう「人間関係リセット症候群とは、自分自身の生き方へのこだわりが強い人がなりやすい性格傾向の1つと考えることができます。
また、人間関係リセット症候群は一概に「悪癖」とは言い切れません。とはいえ、リセットされた相手方の気持ちを考えれば、その判断は慎重にすべきでしょう。