初めて会ったその瞬間からなんだか苦手な雰囲気を感じたり関わりを避けたくなるような、「直感的に嫌いな人」に出会ったことはあるでしょうか。
今後関わらなくて済む人なら良いのですが、もし職場や友達グループに苦手な人がいたら、どう接したらいいか分からずストレスを感じてしまうこともあります。
そこで今回は、直感的に嫌いな人の特徴や具体的な対処法について紹介・解説していきます。
直感的に嫌いな人とはどんな人?
直感的に嫌いな人とは、具体的にどのような人のことを指すのでしょうか?
まずは前提として、ただの選り好みではなく、会った瞬間に防衛本能が働くような潜在的に嫌いだと感じる人の特徴をご紹介します。
【直感的に嫌いな人の特徴】
- 過去に会った苦手な人に似ている
- パーソナルスペースが異なる
- 正反対の価値観を持っている
特徴①:過去に会った苦手な人に似ている
直感的に嫌いに感じる人の1つ目の特徴は、「過去に会ったことのある苦手な人に似ている」というもの。
人は、初対面で相手に対して何の情報も先入観も持っていない時、その人の外見や雰囲気を見て僅か数秒で「どういう人なのか」という判断を下します。この判断にかかる秒数は、1秒とも7秒とも、あるいはコンマ数秒とも言われています。
その人に初めて会った瞬間に、例えば過去に自分のことをいじめていた人や相性の悪かった人に似ている部分を見つけたら、いったん防衛本能が働き精神的な壁を作ります。そして、相手と関わるうちにその人の情報がどんどん蓄積され、波長の合う人かどうかを冷静に見極められるようになるのです。
広く深い人間関係を形成してきた人ほど、第一印象の判断材料を豊富に持っているため、直感が当たりやすくなります。第一印象とは、未知の相手が敵か味方かを見分け、身を守るための重要な機能なのです。
過去に嫌なことをされたり印象が悪かった人に似ていたら、初対面のその人も同じ災難を招くかもしれません。そのため相手のことを深く知る前に、まず直感で「嫌い」と感じるのです。
特徴②:パーソナルスペースが異なる
直感的に嫌いだと感じる人の2つ目の特徴が、「パーソナルスペースが異なる」というもの。
パーソナルスペースとは、その人を取り囲む、目に見えない個人的な空間のこと。人は、無意識に他人に侵入されたくない距離感を持っていて、この見えないスペースに心を許していない人が入ることを不快に感じます。
そしてこのパーソナルスペースは、人間関係の形成方法や価値観・育ちや文化などによって人それぞれ異なります。そのため、相手にとっては適切だとしても、自分が「パーソナルスペースに入られた」と認識した場合は、先に解説したように防衛本能が働き、直感的に嫌いだと感じるのです。
特徴③:正反対の価値観を持っている
「正反対の価値観を持っている人」に対しても、直感的に嫌いだと感じることがあります。この価値観の相違とは「話せば分かり合える」というレベルではなく、真逆で揺るぎない考え方をお互いに持っていて、共感の余地がない状態です。
こうした人同士は両者とも自分の考えが正しいと信じているため、相手の意見を傾聴することはできても、理解したり受け入れることが難しく、どうしても「嫌いな人」「合わない人」と感じてしまうのです。
直感的に嫌いな人の対処法
直感的に嫌いな人に出会い、もし今後も関わらないといけない場合は、その本人や自分のストレスに対して一体どのように対処すればよいでしょうか?
この章では、直感的に嫌いな人への具体的な対処法をお伝えしていきます。
【直感的に嫌いな人の対処法】
- その人と関わる時間と場所を減らす
- ロジカルシンキングで嫌いな原因を探る
- 悩みを相談できる人を見つける
- 直感を軽視も過信もしない
対処法①:その人と関わる時間と場所を減らす
直感的に嫌いな人と関わる上でまず実践したいことが、「本人と関わる時間と場所を可能な限り減らす」ということ。業務連絡などでどうしても話さなければいけない場合などを除き、会話を早く切り上げたり誘いを断ったりと、時間と場所をできるだけ共有しないように努めましょう。
学生の頃にものすごく仲が良かった友達でも、社会人になり毎日のように会うということがなくなると、その友達のことを嫌っていなくても自然と疎遠になっていきます。このように人の縁は、基本的に「どれだけ同じ時間・同じ場所で過ごしたか」に比例するのです。
直感的に嫌いな人は、必ずしも悪人ではありません。自分が嫌な思いをしないために、まずは関わりを可能な限り減らすということを心がけてください。
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対処法②:ロジカルシンキングで嫌いな原因を探る
直感的に嫌いな人の2つ目の対処法が、「私はなぜこの人を嫌うのか?」という問いに対して「ロジカルシンキング」を行い、その人を嫌う理由を論理的に探ること。
ロジカルシンキングとは、根拠から結論までの筋道を論理的に立てる思考法のこと。例えば「私は彼のことが嫌いだ」という結論があったとしたら、その結論の根拠や客観的な理由を見つけ出すことが、ロジカルシンキングの目的です。
これまで感情的に嫌いだと感じていた人に対して、嫌う理由を冷静に分析して原因を明らかにすることで、意外な対処法が見つかるかもしれません。もしかしたら、一方的に合わないと決めつけていただけで、話してみたら「実は良い人だった」と分かることもあるでしょう。
その反対に、ロジカルシンキングによって「合わない」と分かった場合も、感情的に嫌っていた時よりもその人に落ち着いて対処できたり、お互いにとってストレスの少ない関わり方ができるようにもなります。決してその人を好きになる必要はありませんが、ロジカルシンキングによってこれまで全面的に嫌っていた人に共感や妥協できる一面が見つかれば、人間関係の息苦しさも少し和らぐはずです。
直感で「嫌いだから無理」と思い込む前に、まずは相手の性格や事情を知ろうとすること。その上でやはり苦手だと感じたら、決して無理をせずに自分が冷静でいられるようなコミュニケーション方法を考えていきましょう。
対処法③:悩みを相談できる人を見つける
直感的に嫌いな人とは、たとえ直接の関わりがなくても、同じ時間・同じ場所にいるだけでも気になってストレスを感じてしまうものです。そのストレスに1人で対処しようとせず、不満が爆発する前に吐き出せる「相談相手」を見つけてください。
この相談相手は、同じ職場やグループの人でも、ずっと仲良しの友人でも、あるいはインターネットで悩み相談を受け付けている人でも構いません。
心のストレスは、原因を直接解消しなくても、誰かに話したり紙に書くなどアウトプットすることで、思考が整理されて和らげることができます。また他人の客観的な意見を聞くことで、自身のストレスを冷静に分析・解消できたり、自分だけでは思いつかなかった対処法が見つかることもあるでしょう。
ストレスに適切に対処するには、発散できる環境を作っておくこと。「この人になら話しても大丈夫」と信じられる人を、誰か1人見つけてください。
対処法④:直感を軽視も過信もしない
対処法というより心構えのお話になりますが、直感的に嫌いだと感じる人に出会った時は「その直感を軽視も過信もしない」ということを忘れないでください。
冒頭でも解説したように、人はこれまでの人間関係や人生経験をもとに、相手が敵か味方かを直感で判断しています。そのため直感を軽視すると、防げるはずだったトラブルに巻き込まれる可能性が高まります。
しかし一方で、直感を過信することにも問題があります。なぜなら直感的に嫌いかどうかは、自分の経験からでしか判断できないからです。
直感的に嫌いな人に出会ったら、その第一印象を軽視も過信もせず、あくまで人となりを判断する情報の一種として捉えること。「直感」と「客観」を併用して相手のことを多面的に知ることで、より豊かな人間関係を形成することができるでしょう。
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まとめ
特定の人を直感的に嫌いだと感じる理由は、自身の防衛本能が正常に働いているから。その直感に従うことで、人間関係のトラブルを減らすことができます。
しかし自分の直感を過信してしまうと、良縁を手放すことにもなりかねません。相手に偏見を持たないためにも、直感と客観の両方の判断を大切にしましょう。